これさえ知っていれば、英語の発音は自由自在!

英語の積み木

英語学習、英会話の習得で苦労することといえば、発音ではないでしょうか?長いこと、日本の英語教育が読み書き中心の受験英語だったことの弊害で、発音に苦手意識を持つ方はまだまだ多いと思います。

でも、発音は、ルールさえ知っていれば、つづりを見ただけで、簡単に発音することができるようになります。その具体的な習得方法について、お伝えしますね。

発音のルールである「フォニックス」を知ってますか?

英語の「音」と「つづり」の関係を法則(ルール)としてまとめたもの。それが「フォニックス(Phonics)」です。このフォニックスをマスターすると、「知らない単語を辞書なしで読めるようになる」、「単語を聞いて音からだいたいのつづりが書けるようになる」という効果が得られるのです。

実は、アメリカの子どもたちは、みな小学校でこのフォニックスを学んでいます。英語を母国語としているネイティブスピーカーですら、小学校で教えてもらうというのですから、日本でも外国語活動が始まる3・4年生や、教科としての外国語が始まる5・6年生も、できるだけ早い段階でこのフォニックスを学ぶべきだと思うのは、私だけではないと思います。

2010年代になって、やっと学校教育の中で、フォニックスを取り入れようとする動きが出てきますが、まだまだ教える側にそのノウハウが浸透していないこともあり、残念ながら授業の中で生かされていないのが現状のようです。

「アルファベット読み」と「音読み」とは・・・

♬ABCDEFG・・・♬のABCの歌、実はアルファベットの文字の名前を歌っている歌で、アルファベットの発音の歌ではないのです。このABCの読み方を、「アルファベット読み」といいます。

例えば、カバンを英語でbag といいますが、「アルファベット読み」では「びーえいじー」と読むので、「ばっぐ」とは読めません。英語の単語を読むときは、その文字があらわす音を組み合わせます。このように、実際に英語を読むとき、この「アルファベット読み」では、単語を読むことができません。(ただし、母音の文字a,e,i,o,u,(y)は、アルファベット読みすることもあります。)

b【b】とa【æ】とg【g】の音を組み合わせれば発音ができるわけです。この【b】と【æ】と【g】のように、実際に英語を読むときの読み方を「音読み」といいます。英語を読むときは、多くの場合この「音読み」を使います。

例えば、1匹の犬がいたとします。名前は「犬」でこれが「アルファベット読み」です。犬の鳴き声は「いぬいぬ」ではなく、「わんわん」ですよね。その文字の鳴き声(発音)が「音読み」というわけです。

例えばアルファベットの「B」の名前が「びー」で、これが「アルファベット読み」です。そして、その泣き声(発音)は、「びー」ではなく「ぶっ」で、これが「音読み」です。いわゆる、「アブクド読み」のことです。

アルファベット読み(名前)音読み(鳴き声)       
わんわん
b(ビー)b(ブッ)

読めない単語があって、辞書を引き、発音記号が書いてあっても、その読み方を知らなくては、発音できませんよね。今でこそ、スマホにスペルを入れたら、音声を聞くことができますが、いちいちその手間はかかります。

フォニックスさえ習得できれば、つづりを見ただけで発音ができるようになるのです。

日本人こそ、フォニックスを身につけてほしい

私は、幸運なことに、このフォニックスに約30年前カナダの大学での語学留学の時に出会っていました。私が履修したコースは、English as a second language(通称ESL)というコースで、英語を第二外国語として学習する学生や、英語圏以外からの移民の方向けのコースでした。当時お世話になった先生がフォニックスを研究されていた方だったのです。

彼女はロシア出身で、カナダで永住権を取得した方で、ご自身にとっても英語が第2外国語だったこともあってか、主にアジア人が英語を第2外国語として学ぶときの、発音のハードルを熟知されており、特に短母音を発音するときに、アジア人が母国語の母音と英語の短母音を混同しやすいという特性を見抜き、その改善策としてジェスチャー付きでの発音練習を徹底的に仕込んでくださいました。

体で覚える短母音の発音

短母音発音の仕方(口の形)ジェスチャーの仕方
a口を横に開いてあごをさげて、口が逆三角形になるイメージで強く発音する「ェア」頭のてっぺんを掌で押しながら、口を横に開いて、喉の奥をつぶす感じで発音する
e顎をさげて驚いた感じで「エー」肘をまげて掌を下に向けて胸の前に置き、発音しながら肘を伸ばして手を横に動かしていく
i口を横にゆび1本分開いてすましがおで「ィエ」(「ィ」から「エ」に移るときの中間の音)頭の上で何かをつまみ上げるように手を上にあげながら頭を引っ張られるような感覚で発音する
o口を縦にゆび3本分大きく開いて「アー」口を大きく縦に開き、手で大きく丸を描きながら、のどの奥を広げながら発音する
uあごを上げて上を向いてびっくりした時のように、のどの奥から「アッ」と短く発音する。肘をまげて掌を胸の前に斜めに構え、手を斜めに振りおろして発音する

日本や台湾や香港などのアジアの人々にとっては、英語の短母音の発音が難しいようで、徹底的に鍛えられました。この5つの短母音だけでもいいから、しっかり身につけておくと、初めて見る単語でも読むことができますし、発音がとても楽になります。

そのメソッドを、カナダの語学留学から約30年近く経ってはいますが、英語教育に従事する者として、今、日本の子どもたちに伝授できていることに、私は不思議な縁を感じ、微力ではありますが、使命感さえ感じています。

お家で簡単フォニックスの練習方法

歌の力ってとても効果的で、私は自分のレッスンで「松香フォニックス」という出版社の教材を好んで使っています。

ABCの歌のように、簡単なメロディーで替え歌調にルールを身につけるためのチャンツがあります。なかでもフォニックスアルファベットチャンツは、単純で軽快な楽しいリズムに乗って、なじみ深い単語を使ったチャンツなので、歌いながら自然とフォニックスを身に着けることができます。

チャンツに慣れてきたら、フォニックスが身についたかどうかを確かめつつ、読めることを実感させてあげるために、音の足し算をして遊んでみるといいでしょう。最初は3語程度の単語をかき出し、1語ずつ発音させてみます。

例えばCATは?
C「くっ」+A「ぇあ」+T「とぅ」
  ⇓
「くっ ぇあ とぅ」
  ⇓
「くぇあとぅ」
  ⇓
「きゃっとぅ」

という感じで音をつなげて発音すればいいのです!簡単に単語が読めることが実感できれば、フォニックスの価値がわかります!たった26文字の音読みをマスターすれば、どんな単語に出会っても、もう怖くありませんよ!

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